果たせるかなこのサイドパネルには
『9/17 0−Hit』としたためられていた。
あとで調べた結果、どうもこの際にのもから球団職員らに配布されたこのおすそ分けについてはほんの(2〜3?)数個を除き、すべてが『単なるサインボール』と堕してしまったらしい(笑)。こうして野茂の新人王・オールスター出場に続く『日本人初の快挙』はあちこちに散逸してしまう末路をたどり、反面こうした部外者によって辛うじてあるべき姿をとどめる個体も生まれた。
「20年後のご本人」はどう考えるのか解からないが、自分として収集家に求められているのは時として、こうして”彼のものだけではない”同胞の歴史の足跡として保存しておく…「心の用意」を、道徳として備えておくことだろうと思う。
世の中すべてゼニ勘定だけではないではないか。
だから時折マスコミにこのボールを紹介して語り継ぐよう配慮しているのだが、そこに「内容証明だ」「法的手段だ」とメディアに噛みついてきた御仁が一人いらっしゃる。それは他でもないある高名な関係者氏であった(笑)。
ナンにも云わない、云う親切心もないが、収集家諸兄が一応参考にしておいて良い知識がある。
かかる『占有離脱物』(他人に譲渡したもの。乗り捨てた自転車などを、すでに権利放棄した品物の法律用語)を購入した者が、”法に触れる”ならば世界中から「骨董品」や「美術品」市場、「マクガイア70号ボール」までが自動的に葬り去られ犯罪者となる。さらにサインの主や、ゴッホやら柿右衛門の末裔にまで『版権料を支払うという地球を揺るがす大騒動となる図式』となる判決を「法的手段」で引き出す…と主張しているに等しいのである。
はたして、己がクライアント氏の歴史的功績を踏みにじってもこれら世界のリセール市場にひとり”叛旗”をひるがえし、それでもなお”信念”(笑)を通されるおつもりなのだろうか。