どうぶつギャラリー
バカ親
満開!

んぐ?んんんん!
「おじちゃん、おばちゃん。ナンだい?」本来は気の良さそうな子なのだろうが、長そうな「宿無しの暮らし」(?)に疲れていた様子だった。
私はこうした若く、迷える子供たちこそ好きである。彼らのような”心”を開くべく、全国を行脚してきたのである。
 いつの間にか、そうした子らと短時間で仲良くし、ニコニコゲラゲラさせる秘技を会得して幾星霜…なのじゃ。
 まずは同行の弟子=「女流五段」のお手並み拝見だ。林葉直子ではない。彼女は指を尖らせ匂いをかがせる猫の目の高さにまで身体を降下させ、すべてを水平に運ぶべし。
その指に興味を示し、近付いたらシッポ付近をなでてやる。
『アララ、いい気持ちかもしんないぃ〜』
ただちに私は五段に、携帯していたカギ(ドアキー)を渡し、「こうした硬めのものでシッポの付け根から背中の真ん中までをかいてやるよう」往復運動を指示する。
すると、思わずウットリし始めた。そうなのだ、こうした成猫で体格の良い者は子猫時代と違い、背中から下、シッポの付け根などをカジカジして、毛の根元付近の皮膚のお手入れがしにくいものなのだ。特にシッポの付け根(先っぽでなはない)の皮膚は犬もそうだが、ムレやすくまた体温も高いためノミなども多く分布し、カブレやカユミなどが慢性的に宿ったり、時には黒カビまで発生することも珍しいケースではない。したがって彼らにとって、こうしたカキカキ行為は何よりの救いとなるのである。

ぐ・ごごご

ぐぅぎゃあおぉぉぉ
 まさに《一期一会》。我々のこうした辻説法によって”解脱”が始まってきた何よりの瞬間だ。一度、近所の小川不動産の『チビ』というラブラドル雑種犬に「そんなに気持ちイイんなら、こいつはどうだ!」とガス器具掃除用のワイヤーブラシを登場させ、ガリガリやってやるとチビさんは失神寸前までイかせてしまったことがある。
犬も猫もこうして舌を、条件反射的にペロペロさせ「あくまで自分自身がペロペロしているからこそ…」と、この快感の渦に《あくまで「自分を参加」》させて【合理化】するんだね。人間と似た行動をするものだ。
そうそう、小川さんのチビの尾っぽのあたりは翌日、赤チンが塗られ、途中まで白い包帯がシッポに巻かれた姿になっていたっけ。
どうりで、ワイヤーの硬い針金が「粉みたいなもの」をしきりに飛ばしていると思った(笑)。
 なあんだ『あれってカサブタだったんか』。それじゃあちょっと痛いわな、それごっそりハギ取ってたんか(笑)。小川社長には『どうしたんだろ』と共に心配しておいた。
こうなるともう我々専門家が呼ぶ、ところの
汽車も電車も停めて状態(版権=船場太郎)』である(笑)。

完全にこの時点で、もはやこの子には猫としての本分やプライドなどはアチャラの方角へと飛んでいってしまっているのである。
視線も定まらず、完全に狂ったもののそれである、ちなみに先述の「無為なペロペロ運動」のおかげで唾液がしこたま湧くために、施術の間彼らは一様にヨダレをごくごく飲んでいる状態が続き、すこぶる胃腸にも良い

わがこの道に、あやまりなし』我々の誰もが、そう己が魂に呼びかける至福の一瞬に、ほかならない。

ずひょひょひょひょ……
ホンマにもう、「ぽっへ…」でんがにゃ
こんなに笑った顔をしているネコと君は出会ったことがあるだろうか?。いや、ゆるみきった顔と表現しても良い。
 ここまでトンダ顔してベロを出しているサマ、これを我々は「(ローリングストーンズの)ミックジャガー顔」…、こう呼んでいる。また、ニホンカワウソのようでもある。

我々は今日もまた、人間社会の大使として一匹の猫をほんの片時とはいえ、愉しませてあげることができた。
イスラム原理猫も含め、世界各国の猫たちがこうして喜怒哀楽を表に出して街を歩ける日はいつの日だろうか

 バッカだなあ(笑)。
 ちなみにこの写真、我が施術師が”当てみを食らわせ、ネコがぐえっ”とうめいているように見えるがそうではない。 念のため

秘技!! ネコ笑わしたろやないけ

上野公園にて大笑いする猫。
 彼とは初対面であり、”仕込み”など
ではけしてない
。テレビじゃあるまいし(笑)

技術指導:「全日本猫じゃらし道普及連盟」総師範代 前野 重雄 

本日の施術師:   同  町屋本部道場会館師範 前野 有子五段

*今日は有意義な1日であった。私が上野不忍池のほとりでたたずんでいると、そこを考え事をしながら通りすぎようとしている若者がいたので、そのただならぬ様子にちょっと思うことあって呼び止め、同行の五段に言い付け、施術してやろうと声をかけた。
『チッチッチ…』。口の裏側で湿った声の合図を送ると、22・3歳の男猫が立ち止まった…。