直線上に配置

集英社刊”前野重雄の球界遺産”

4月の10日は午後、[紀伊国屋新宿南店]へ挨拶しに行って来ました。

…ら、ビックリ。げ・ウィンドウに飾ってある?
 
 ズラリとドミノ倒しみたいに自分の本が飾ってあるの…うわ〜オ!!。
 駅からの連絡通路渡ってきてたどり着いた、近代的なタイムスクェア紀伊国屋の”端っこのロープの先”がもう《球界遺産》でやんの。

 わざわざ、副店長の竹澤さんが手を取って店内の展開ぶりを案内してくださる。
 心臓ドキドキである。まるで、自分の子供が運動会でスタートラインに並んでいるのを眺める親…といった心境である。
 なんと店内に入ってすぐのカドまで頂戴してあった。

 いきなりそこで立ち読みしてくれているオヤジさんに感動。

 『立ち読みするヒトに後光がさす』のを生まれて初めて見た。
 一旦コソコソ通りすぎてから思い直し、戻った。

「あのスイマセン。」
『ン?、あ』メガネの奥が疑っていた。

「あの、作者なんです。ありがと
うございます」

 中年課長といった風貌のワイシャツ袖まくり氏は、表紙を急いでひっくり返し、それとボクを見比べた上で大きく頷いた。

『ああ、そう。』メガネが少しズレていた、白い歯が見えた。
「どうもすいません」

 丁寧に本を表と裏から閉じて、脇に抱えるところまで目にしてそこ
を辞した。
 視線を背に感じながら、”いっそ買って差し上げちまおうかな”と、後方に引っ張られるような力を感じる。

「あの、お世話になります…」
(20年来の呑み友達である)竹澤さんがご紹介下さった方、長身の店長さんがカウンターの向こうに立っておられた。
『あ〜、どこかでお見かけした方だと思ったら…、頑張って売りますよ』

…うわ、ホントだ。レジカウンターの上にも…。
『コンピューターの集計データお見せしましょうか…パク・パコ』

 バリリ…とP/Oして出してくれた《球界遺産》を置いて下さっている全国の紀伊国屋17店舗の3月26日から4/10までの約2週間の売れ行きは全部で【57冊】だそうだ。

 何なのだろうこの数字って、多いのか少ないのか。
 とにかくこの本の場合”平積みしてもらってナンボ…の装丁”である。
 せっかくのイチローさんが寄せてくれた(腰巻の)コメントが、誰の目にも触れないままになってしまう。
 いずれにせよ、そう大したバックアップもなく自分で宣伝し自分であいさつ廻りでもしなければならないわけで、また、こうした好意に甘えなければどうやらすぐに「売り終えて廃版…」といった運命のようである。
 
 『大書店での”平積み”』というステイタスはよほど”力の背景”がなければならない(笑)大事業なのである。
 それをこんな筆者個人がやっているなんてボク自身聴いたことがない。
 背表紙だと(ボクの本の背デザインが意外に地味めなので)隣近所のタイトルに埋没しがちである…との認識から始めないといけない。(別に誰のせいでもないけんど「実用書」的ルックスなんだな〜)

『あれれ、”東販”がですね、ストックが《在庫僅少》ですってよ』
『じゃ、早めにオーダーかけときましょうか』
(小生 じ〜〜〜ん 「なんちゅう魅惑的な言葉の羅列なんだろう」)
「何なんですかねえ…」

 緒戦では、ボクの手持ち接点のプロモーションが失敗しており、4/1以降は大阪地区での関西TV番組内での宣伝と、梅田本店=15冊は『作者サイン入り』もの全部が売れたんだろう。あの時には在庫がそれだけだったからしゃあない。
 広島店だけで7冊も売れたのはなんだろう?
残念なことにあの本には広島カープ関係はゼロ…おかしいな、ひょっとすると村田兆治さんの故郷…は福山で、市内じゃないし。

 見えない支持者…って嬉しいなあ。
 でも本当にありがたきは紀伊国屋さんである。

「あの〜、お世話になっているんでコレ、書いてきました」
と、いわゆるPOP手書きのハガキサイズを(8枚も)手渡す。
『いや〜、作者の方がこうしたモンを作って下さるとはねえ(笑)…』
 ウケていた。
 通常、各書店ではプラカード代わりになるこのPOP描きは女店員
の仕事となっているもの。

 彼女らの丸い花文字っぽい柔らかさがウケる、アイキャッチとなる…はずが当方のはどう見ても過激派大学の”タテ看”風(笑)、でも蛍光ピン
クなんか使ってるからまあいいか…。

 部下の女性呼び、これらを直ちに各所に積んである売り場へと配り
に走らせてくれる。すごいすごい。

『いやね、こういうのは”活字ばっかり”の中に入りますとね、”手描き”でしょ。読んでくれるんですよ、こういうのは』
「じゃ、全国の支店さんへこちらから送りますよ」とボク。

『わ〜そうして下さるんならこちらからも各店舗の方へ受け取って確実にディスプレイする者と、コンタクト取っときますから』

 どうしても商人の子、売りに出した物をひと任せにはできない。
”売れる”のではなく、物は”売る”もの、だと思う。
 まずは紀伊国屋さんを各地の”核”にして、地域の他店が偵察した際に”気になって”貰うことも大切だろう、ここで売れなければ他では
売れないだろう、だから、売る。

 出版を初体験して色々な事が新たに見れてとても面白い。
各地の本屋さんを観察してきて、”文化を若者に売る”あるビデオレンタルと本屋とドッキングさせた、あるチェーンの底の浅さが解ったような気がする。

 ここの展示法はズバリ”烏合の衆”狙いである。
「これって良い本ですか?」
『ええ、』
「どこが?」

『売れてるから』
 店内のCD売り場でも本と同じような商品構成をしているから一目
瞭然である。

 診たところそこの新書本は、各ジャンルから『今の』ベスト(多いものから)15か、ベスト5くらいだけを目玉にまともに仕入れ、”メイン”とし、売り場の中でも”銀座”を選んで置くようなのだ。
 そしてタテ位置書棚に置かれた(突き刺した)大多数の本は、一見して出版社から託されたような、『置いてくれませんか?で、売れたら代金を支払ってね』風の出版物か、または売る時機を逸した本が目立つのはボクの目がおかしいからだろうか。

 道理で近所のTに行くと、いつでも『売り切れ』ですと断られる…とか取り寄せに死ぬほど時間がかかるワケである。

 ちなみに《球界遺産》をこの町屋のTから取り寄せを頼んだところ、日本一の書籍取次ぎ(問屋)や版元=集英社のある御茶ノ水までわずか15分…にもかかわらず、なんと『ご注文の本、入りました』までに一ヶ月以上もかかったというのは、それなりに面白いデータ収集ができたとは思うけど、ずいぶんと現代的ではない風景ではないか。

 もっとも勝手な想像に過ぎないけれど…でも、ボクはデパートなど大型店舗の仕入れ法を昔から嫌というほど見てきたので、こうした可哀相だけど、《委託品》という弱い立場の商品は、共通するニオイが本の外側に漂って出て来てしまうのだと思う。

 ”話題”を自らデッチ上げ、自ら売りまくる大出版社ならともかく、競争力の弱い零細出版社を犠牲に、成長してきたかかる大店舗チェーン店こそ今後は危ない。
 ちょっと不景気の風がそよいだだけで軒並み経営怪しくなった大手デパートの”二の舞”になるとすれば上記、《委託品》という自分の腹を痛めず、見た目だけご立派にしたい…おんぶに抱っこの商法であろう。

 勝負始めた将棋盤はタテから見ると、駒にほとんど動きはない。
 しかし、”歩”の横一列目、1・2個は確実にピシリと小さく音を立て、敵陣にハナを向け歩を進めたのはたしかだ。
 売るよ〜。で、夏はゆっくり休むよ〜。

前野 重雄 拝
***当ホームページビルダーと、インターネットエクスプローラおよびネットスケープとの間で、微妙なズレがあります。”後者”ご利用の方は、各ページ必ず最下段までご覧になって下さい。

”売れる?売れない?本の見分け方


右・前野、捕手Mソーシア(ANGELS監督)、主審Bフローミングス(ナリーグ)、奥Tラソーダ

”AIR”が実はすでに
入っていないA-ROD
用非市販手製モデル


ベストセラーの奪い合い。
売れているモノとは恐ろしい事だらけだ(笑)

宣伝するのは心苦しいが(笑)コホン。こんな競争力のある”腰巻”がある以上、”平積み”しかないし、イチローにも顔向けできないではないか。前進あるのみだ。
 上の本をクリックして頂くと、辛うじてしまい込んである集英社の発送部門へ直行できます。ありがとうございます。

テリー伊藤さんのラジオ番組で広報させてもらう

 テリーさんとウエちゃんの乗ってけラジオ(ニッポン放送)が《球界遺産》宣伝の初舞台となった。
 『イチローのメジャー的価値を話してくれ』というのでPRもお願いしますと頼み、了承してもらう。
ただ、ボクはTV”笑っていいとも”のテレフォンショッキングで、舞台だCDだと、必然性もなくやって
きては宣伝だけして帰る…ああしたやり口が日本人として(笑)大嫌いなので、番組の最後に少し
輪郭だけ紹介して戴くにとどめた。


*あの『Number』が(味方ではない)週刊「ベースボール」連載だったわが単行本を紹介、応援に回ってくれることになった!。また、『SPA!』も書評欄で推薦を決めてくれた…との報。
本当にありがとう。この時は未だボクは本家「週刊ベースボール」が援護射撃をしてくれない”真意(パクリ企画同時進行中)”や真相など全く知らなかったのであった。平和なもんだ(笑)。

左上柳アナ・右テリー伊藤さん。LF13時〜15:30。(月〜金)真っ先に…でした。ホントにありがとうございました。

”もしもしこちら「ほんぱら!関口堂書店」という番組を制作しております、『共同テレビ』の…”
          
おいおい、ホントかよ!

ついにやってきた。大朗報だった。……

ほ・ほんま千代子?ですか